種を見ると植えたくなるのはあらゆる種に共通なのですが、甘夏の種を植えてみました。
種子をよく洗い、水につけておきます。
1日くらいすると透明な無味無臭のゼリー状のもので覆われますので、これを洗い流します。この工程を数日間にかけて、数回繰り返します。
ヌルヌルしなくなったら、種子の外皮を丁寧にむきます。
そのまま水につけておいて、根のようなものが見えてきたら、土に植えます。
種子の表皮や果実には発芽抑制成分が入っており、よく洗わないと発芽しません。
このあたり、植物のすごさを感じます。熟れてそのまま真下に落ちて発芽したのでは、子株と親株が栄養の奪い合いをして、双方だめになってしまいます。このため、動ける生物(動物)に遠くまで運んでもらったほうが都合がいいのです。だから動物が好きそうなおいしい実を結実させるのです。
動物の体内に入った種子はやがて再度地面に落ち、雨風にさらされてほどよく乾燥します。乾燥した種子の表皮は、亀裂が入って風で吹き飛んでしまうのかもしれません。
この状態で、発芽抑制物質はほとんど無いと考えられます。
だいたいの植物は、動物や自然現象をうまく利用しながら子孫を増やしています。
言葉を発しない、動きを感じられない、そんな植物も知恵を身につけながらこの地球に生きているのです。
能書きはいいとして、発芽のもようの実況。
種を植えて発芽・・・、アサガオやヒマワリのつもりで見ていたのですが、様子がちょっと違います。
上の写真を見るとわかりますが、いきなり本葉が発芽します。
ヒマワリやアサガオでは、種子の中の栄養が詰まった双葉も地上に出て二つに開くのですが、甘夏の場合は双葉にあたる部分は地面の中に居座り、その隙間からいきなり本葉が地上に出てきます。
いわゆるイモか球根のようなかんじで、単に養分供給の役割を果たすだけで、日光を浴びて光合成をするわけではなさそうです。
種を蒔く準備段階として種を水につけておいたのですが、この時点で不思議だと思っていました。水を吸った種からは、普通は1本の根が出てきますが、甘夏は2本出てきました。奇形かなと思っていたら、全部そんな感じでした。
今思えば、2本のうちの1本は本葉の茎だったということになります。
よくよく考えてみれば甘夏は木です。思い起こせば、ドングリ(コナラの木の実)なんかも、同じような発芽のしかたをします。
甘夏の種とはいえ、木の種なので木の実ということになります。
からくりが解ければなんのことはないのですが、木の発芽もおもしろいなという素直な感想。
ちなみに、柑橘系の植物は濃い緑色の葉をつけ、小さいうちから葉から柑橘系の香りもします。この甘夏はもっぱら観葉植物として飼育するのであり、結実まで期待していないのは言うまでもありませんw
そんなわけで、松、甘夏、ヒマワリ、アサガオ、コスモスそれぞれ10株以上成長中。
園芸屋でもしますかな。将来楽天で「ぁぃの身近な園芸店」なんかを見つけたら、ぼくだと思ってください。うそです。
じじぃになったら、間違いなく盆栽してんだろうな・・・(´・ω・`)