2007年09月24日
写真館-アケビ実る

庭のアケビが今年も実りました。
10個ぐらいもぎ取りましたが、まだたくさん枝についています。
完熟になると自然と実に亀裂が入り、中の甘いところが露出します。
そうなると、いろいろな生き物がこの実に集まります。
アリやカメムシはもちろん、ナメクジやワラジムシや鳥までやってきます。
ヒトが美味しいと思うものは他の生き物にとっても美味しいものであり、アケビの作戦勝ちとなります。

そんなわけで、亀裂が入る直前でもぎ取りました。


写真館-アケビ実る

亀裂が入っていないやや紫がかったこの状態でもぎ取れれば、ヒトの勝ちです。完熟度99%です。
うっすら白い線が見えていますが、ここに亀裂が入ります。
皮が極度に薄くなっている部分であり、手で割るときはこの線に沿って割ります。


写真館-アケビ実る

中は、こんなになっています。


写真館-アケビ実る

黒い種子をゼリー状のものが包んでいます。
このゼリー状のものを食べます。
食べ方は、種ごとゼリー状のものを口に入れてあとで種を出します。
味は、ほんのり甘くてまったりとした味わいです。

がぶりと食べておなかいっぱいといったものではなく、自然の甘さを堪能するガムみたいなものと考えればいいと思います。


写真館-アケビ実る

この実には、55個の種子が入っていました。
自然界では、鳥の胃の中に入って遠くに運ばれる種子です。

大昔の子どもたちは、山の中で山遊びをしてその場に実るアケビの実をおやつにしていたそうです。
甘いものを食べようとすればコンビニですぐに手に入る現代ですが、大昔は甘いものなど簡単には食べられませんでした。
そんな時代だからこそ、このほのかな甘さが貴重だったのかもしれません。

アケビはスーパーなどでも売っていることがありますので、機会があったら食べてみてください。
決しておいしいとは思わないでしょう。種だらけでなんだこりゃと思うでしょう。期待はずれで憤慨するかもしれません。

しかし、甘さをよく感じてみてください。
甘さを売り物にする果物とは違った、自然界の甘さがそこにあります。
ほのかにほんのりまったり甘い。
こんな味のするものは、なかなかありません。

甘さが強ければおいしいといった風潮がひろがり、トマトもイチゴもミカンも個性ある酸味が薄れ、みんな甘いだけの食べ物になってしまいました。
品種改良で作られた甘さではなく、水遣りを制限して作られた甘さでもなく、アケビの甘さは土が提供する甘さです。

スーパーで売られるアケビは、けっこうな値段がついています。
果物の中でも、高級な部類に入る価格帯です。
大昔の子どもたちにとって貴重だったアケビは、現代では別の意味で貴重になってしまったようです。
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2007年09月24日
羽化直後のスズムシ

羽化直後のスズムシを、ついにとらえました。

まだ白い羽根を伸ばしている様子は、まるで白い風船をふくらませているかのような美しい瞬間です。
いかにもふわふわしてそうで、いかにもやわらかそうで、繊細極まりないこの姿は、まるで天使か妖精かといった風情があります。

はじめてこの瞬間を見ましたが、神秘的というような科学的な表現ではなく、まさにメルヘン&ファンタジーの世界でした。

食べて大きくなって脱皮して、それを何度も何度も繰り返して、そしてついに「鳴く道具」を得たのです。
次の世代を呼ぶその道具が生まれた瞬間にスズムシは妖精となり、いのちの美しさをその周辺に放ちます。


羽化直後のスズムシ

君は天使、君は妖精。君はいのちをつなぐ使命を背負う者。


羽化直後のスズムシ

伸びきった羽根は少しずつ黒ずみ、すっかり硬くなった数日後に鳴き始めます。
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2007年09月24日
写真館-太陽・青空・アキアカネ

ほんの数週間しか見られない、秋だけの風景なのです。
ヤマトシジミを呼ぶにはカタバミを植えますが、トンボを呼ぶには棒を立てます。
カエルを呼ぶにはヒマワリを植え、ハチを呼ぶにはコスモスを植えます。

こっちは写真を撮り、昆虫は生活圏やえさや休む場所をもらえる。
初歩的な取引です。コミュニケーションなんて簡単なんです。
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