家族であれ、敵族であれ、自分と同種の亡骸をある一定の場所に集めたり、自分の生活圏の外へ排除したり、こんなことをする昆虫は、アリだけです。
常識という論理的なものではなく、モラルという哲学的なものを備えているとしたら、アリはすでに“虫けら”ではないわけです。
甘い汁を出す相手は決して食糧としない、それどころか、それを守ろうとする。
そんな知能の高い生き物というものは、原因があって結果があるというしくみを多用します。
アリの幼虫と同じ匂いを出すシジミチョウの幼虫は、見事にアリをだまして平穏に生きていきます。
アリは、このように化学物質に素直な行動をとることがあります。
人は化学物質をテレパシー代わりにすれば、将来的にアリとコンタクトがとれるかもしれません。