2007年11月11日
オオカマキリの待ち望んだ産卵

ここのブログで何回か書いたオオカマキリですが、わけあって保護観察中でした。
保護の甲斐あって、なんとか無事に産卵してくれました。


オオカマキリの待ち望んだ産卵

今まさに産卵しているところですが、最後の仕上げのようです。
あの茶色い卵も、産卵直後は真っ白です。


オオカマキリの待ち望んだ産卵

飼育ケースのふたの裏側に産卵しました。


はじめてこのカマキリを見つけたのが、ブログにも書いたときです。
夕方には一桁の気温になる中、玄関のところに止まっていました。
初めは灯りにやってくる昆虫をつかまえにきたのかなと思ったのですが、寒いほどの気温では、すでにやってくる昆虫もいません。

それから1週間が経ち、そのカマキリはまだ玄関先にいました。
蚊もハエも1匹も灯りに来ない中、カマキリはこっちを見てました。
低い気温で動きも鈍くなり、脚には痙攣が始まっていました。
たぶん何も食べていないだろうなといった状況でした。

オスは交尾のあとはメスに食べられたり、生き延びたとしても役割を終えた充実感でその後死期を待つように生きていきます。
このカマキリは、必死でした。何か必死なものを感じたんです。
この強い生命力は、もしかしたら産卵前のメスかもしれない、そう思って腹部のところをよく見たら、オスより太く、通常のメスより細いかんじでした。
産卵したいが栄養不足で卵を作れず、そうしているうちに動けないくらい気温が下がってしまったのだと思いました。

カマキリが首をかしげて人間のほうを見るのはよくあることです。
いつものようにこっちも目を合わせていましたが、何かヘルプのようなものを感じました。
またテレパのような話で恐縮ですが、お願いだから助けてのようなものを感じたのです。

もしも予測が当たっているとしたら、このカマキリは危険を承知で人間に救済を求めている、卵さえ産めれば、あとは人間にどうされようとどうでもいい、そんなことがもし本当にあるのならば、ここは予測を信じてみようと思いました。

しかし、予測は予測。
もし予測どおりでなかったら、単にエゴでしかありません。
そんなわけで、保護観察していることはちょっと公開を躊躇していました(*^^*ゞ
すぐ死んだり卵も産まなかったりしたら、むしろそのまま放置したほうがよかったのではないか、そのように心を痛めるのは当事者だけで十分です。

保護後は、食べ物を与えなくてはいけません。
外に出ても灯りを見ても、昆虫の姿はありません。
ヨモギハムシはいましたが、かわいそうで与えることができませんw
スズムシはなおさらです。
そんなわけで、室内のハエを追っかけまわしたり、石を起こしてワラジムシやゲジゲジを捕獲したりの日々が続きました。
寒くなるとハエは暖かい室内にとどまり、液晶モニタや人肌を好んで止まります。
ハエは捕まえても捕まえても、毎日どこからかやってきました。
決して不潔にはしていないのですがw

そうしているうちに、カマキリの腹部はみるみる大きくなり、卵が作られているのがわかりました。
そうして、産卵の時を迎えました。

経緯が経緯なので長くなりましたが、ただの産卵ではなく、本当によかったよかったの産卵でした。
この卵は春までちゃんと預かり、外の自然の中で孵化させるつもりです。

友好的な態度をカメラの前で見せてくれたこのオオカマキリ、初めからそのつもりであったのなら幸いです。
posted by ぁぃ♂ | 岩手 ☁ | Comment(10) | オオカマキリとイエコオロギ | 更新情報をチェックする
ページトップへ戻る