
2000年12月20日に撮った、東京浅草の浅草寺のハトです。
カメラをハトの視点まで下げて液晶を覗くと、まるで自分がハトの中に入ってハトになってしまったかのような錯覚を感じました。
観光地のハトらしく、カメラという機械を理解しているのか、まったく怖がりません。
『どけどけ〜』とばかりに構うことなく前進してくるハトの大群は、たくましくもありました。
比較的寿命の短い生き物の写真は、古くなるにしたがって、決まって思うことがあります。
もう年寄りになったんだろうなぁとか、みんな死んじゃって今は子孫たちに入れ替わったのかなぁとか、命のサイクルを感じえません。
たった数年前の過去という時間の中に、ひとつの命の完結がいくつもある。
生まれては消えていく命の繰り返しを感じさせる不思議な力が、写真というものには確かにあります。