いやー、子どものころ以来の出会いです。
あまりにうれしかったので、ちょっと撮影に協力していただきました。
数ある昆虫の中でも特異な印象があるのが、このケラです。
地上を歩き、地中にもぐり、水を泳ぎ、空を飛ぶ。
そのどれもがすばやく、力強いのであります。
手の中に入れると指と指の間を開こうとする力の強さは、経験のある人ならよくご存じでしょう。
かじられたかと思うほど、痛ささえ感じる力なのです。
しかし、かじるようなことはしない昆虫です。
すべてに万能で、昆虫とは思えない力を持っているケラには、個人的に特別な思いがあります。
ひとつの生命体として、すぐれた進化をした種類のひとつだと思います。
トンボと言ってもいろんな種類があり、バッタと言っても数知れずですが、ケラと言えば少なくとも国内ではこの生き物だけになります。
名前は短く、愛着のある響き。生態も個性的です。
どう考えても、魅力のかたまりなわけです。
そんな魅力いっぱいのケラですが、その個体数は年々減少していると言われています。
飼ってみようかなと思いましたが、地球の貴重な住人なので、安全な所に逃がしてあげました。
どこかの地中で穏やかに暮らし、たまには顔を見せてくれればいいなと思います。