茂るヨモギの奥のほうの茎に土が付いており、そこに赤いアリがいます。ヨモギの茎を一周ぐるりと土でかぶせているように見えます。
よく見ると、緑色の楕円形の物体。アブラムシです。
この土の壁の内側に、アブラムシがたくさんいるようです。
赤いアリはこのアブラムシを他の巣のアリに横取りされないように、アブラムシをぐるりと取り囲むように壁を作ったわけです。
こうしておけば出入り口が限定されるので、防御しやすくなります。
一種の武装化食糧基地、さすがは高度な知能を持つ昆虫です。
地面からの高さは、およそ30cmぐらい。この高さまで土の粒を運び、たぶん口から出した粘液のようなものを接着剤として使ってくっつけたのだと思います。
よく見ると、一定の大きさであれば土に限らずに植物の種も利用しています。
雨に濡れると簡単に崩れそうですが、奥のほうの茎なのでその心配もありません。あえて崩壊の危険の原因をあげるとすれば、強風で茎が揺れたときの衝突による崩壊でしょう。
しかし、アリは人間と似てるので、壊れては直しを何回でも淡々と繰り返すのだと思います。社会性とはそういうものです。