多くの昆虫がそうであるように、老いてくると脚の先にある"ふ節"が欠損するのはエンマコオロギも同じです。
カギ状の爪を引っかけて使う"ふ節"が無くなると、緩やかな斜面でも這い上がることができなくなります。もちろん、木の幹の垂直面などに静止することもできません。
"ふ節"が無くなったこの個体は、砂の上で生活しています。
また、左側の触角も3分の2ほど欠損しています。
産卵管も枝毛のような状態になり、分かれた一方の先も1cmほど欠損しています。
腹部の先についている2本の尾毛も先が折れて無くなり、前羽根の部分も先がギザギザに欠けています。
このように、体の中心から遠い部分に欠損という形で老化が見られるようになります。
くちばし状のあごは、右側が開いたまま動かなくなり、左側が閉じたまま動かなくなっていました。
リンゴはかじることはできませんが、口を突き出して果汁を舐めています。
他の個体にも"ふ節"がとれている現象を確認しているので、全体的に余生を過ごす季節に入ったようです。
元気なメスはまだ産卵をしていますが、オスの鳴き声は日増しに衰えを感じます。