2011年03月24日
(この記事は地震前に書いてアップしていなかったものです。)

女王アリ、巣の外へ

昨夜撮った写真ですが、亡骸がえさ場兼ゴミ捨て場に運ばれていました。乾燥赤虫が入っている容器の中に置かれています。
細いチューブを通すためだったのか噛み切れなかったのか、解体は最小限にとどまり、ほぼ原形をとどめています。


女王アリ、巣の外へ

今朝の様子。容器の中に置かれてあった亡骸がスポンジの上に移されています。
えさ場兼ゴミ捨て場の中には働きアリがすでにいませんでしたので、ここを最終置き場と決めたようです。
アリの社会の影響範囲イコール巣の中なので、ここは巣の外、つまり働きアリはこれ以上関与しないことになります。


女王アリ、巣の外へ

亡骸を取り出した容器の中に、触角が1本入っています。右下の丸く弧を描いているのがそれです。


女王アリ、巣の外へ

アリ社会の関与が終了したので、女王アリの亡骸を取り出しました。ここから飼い主の役割が始まります。
右前脚が逆方向に曲がっており、成形中に折れてしまいました。恐らく、付け根をかなり噛まれてもろくなっていたと思われます。置き方が逆ですが、触角を置いてみました。もう一方の触角と左後ろ脚のふ節は発見できませんでした。


女王アリ、巣の外へ

真上から見たところ。左後ろ脚のふ節の欠損がわかります。昆虫特有のテカテカの体、ストロボが反射します。


女王アリ、巣の外へ

力尽きたムネアカオオアリの女王。昨年の6月下旬、ひょっこりと姿を現したこの女王アリは、小さな家族を形成しました。娘たちが育ち、巣の管理をまかせながら次の産卵期である季節を前に、女王アリは旅立ちました。
さようなら、女王陛下。さようなら、友だち。

今までの飼育は、対象生物と1対1のつきあいでした。しかし、今回アリという社会性の高い昆虫を初めて飼育したのですが、それは飼育の上の次元に存在する社会の間接的維持というものでした。
対象生物の威厳を尊重するのに加え、その社会にできるだけ関与しない形で維持するという初めての経験でした。
たくさんのことを教えてくれたムネアカオオアリの女王に、改めてここに感謝の意を表します。

この先、巣の繁栄は望めなくなりましたが、残された娘たちや幼虫の天寿を全うさせるまで、この飼育は続きます。
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2011年03月22日
前回とは別のテレビ番組制作の方からオファーがあり、当ブログ中のスズムシの写真が番組中で使われることになりました。

使われる写真は、ここの写真。たぶん一番上です。

番組の内容はリンク先に書いてありますが、スズムシとコオロギの写真を見せながらスズムシの鳴き声を聞かせて、これはどっちの鳴き声か?というクイズらしいですw

■放送データ
・テレビ局:テレビ朝日系
・番組名:超タイムショック 芸能人最強クイズ王決定戦スペシャル11
・放送日:3月30日(水)19:00〜21:00
      『4月7日(木)もしくは4月14日(木)の放送となりそう』ということなので、
      正式な通知が来たらまたお知らせします。

・クイズ出現時間:全く不明なので2時間くぎづけw

ちなみに、前回もそうですが報酬は全くございません(^Д^)

正式な放送日が決まりました。ここで書いてます。
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2011年03月13日
今回の大地震に伴い、たくさんの方々にご心配をおかけいたしました。

地震についての記事を自分ブログのほうに書いてみました。

お時間がありましたら、ご覧ください。
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2011年03月11日
お通夜終了、幼虫の搬送

お通夜の後、しばらくして亡骸がまた元の場所に運ばれました。
それとほぼ時を同じくして、今までほとんど入ることの無かった左の別室に、何匹かの働きアリが入り始めました。


お通夜終了、幼虫の搬送

すでに幼虫すべてを運び込んでいるようです。右の空間に2群、左の空間に1群の幼虫の固まりが見えます。
このあと、巣の環境維持担当の個体が保育担当の個体を口で咥えて運ぶ様子も観察されました。
これは完全な引っ越し行動です。別室をこれからの住居にするようです。


お通夜終了、幼虫の搬送

小さくてよく見えなかった幼虫らしきものも、超接写で幼虫であることがわかります。この状態で生長を停止して冬を過ごしたと思われます。


お通夜終了、幼虫の搬送

亡骸の解体は続きます。右にいる働きアリは亡骸の左後ろ脚の付け根を噛み、左にいる働きアリは逆方向に引っ張っています。
大きな亡骸の脚なので、何百回何千回と噛み続けてようやく切り取れる感じだと思います。

本来であれば、亡骸は飼育者が取り出して土に埋めたりの処置をするのですが、社会性の強い昆虫ですのでその社会なりのルールが存在するはずです。
ここはそのルールを尊重し、外から邪魔しないように観察をしたいと思います。
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2011年03月10日
女王アリのお通夜

左側の空間に置かれていた女王アリの亡骸が、本来の住居であった右側の空間に運ばれていきます。


女王アリのお通夜

死後硬直が解けた亡骸は、脚を広げられた形にされています。左右の触角が切り取られているので、徐々に解体も始まっているようです。写真右下に切り取られた触角が写っています。


女王アリのお通夜

亡骸が本来の住居であった場所まで運ばれました。


女王アリのお通夜

一族のいる場所でのお通夜のような儀式かもしれません。この場合も卵や幼虫の保育担当の働きアリは、その場を離れようとしません。このような保育担当の働きアリは常時3匹います。
このあと何が起こるのか、観察を続けます。
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2011年03月09日
女王アリ崩御

女王アリにおかせられましては、御健康と御長寿を乞い願い奉っておりましたところ、にわかに崩御あらせられました。
女王アリの崩御に、飼育者である自分は、ここに謹んで弔意を表し奉ります。


女王アリ崩御

2匹の働きアリが集まっています。1匹は、脚の関節のあたりをしきりに噛んでいます。


女王アリ崩御

次第に他の働きアリも集まってきました。今の状況が少しずつ巣全体に伝わっていきます。


女王アリ崩御

しばらくして、部屋の右側にあった卵が女王アリのいる左側に移されました。


女王アリ崩御

前日に撮影した巣の様子。このときは、まだ右側に卵が置かれています。
この写真を撮った日に気づいたのですが、女王アリの後ろ脚の動きが変で時々両後ろ脚を引きずるようにしながら歩いていました。そのせいもあってか、めずらしく石膏の上にいる時間も長かったように思えます。

寒さもエサの状態も巣の環境も通常通りでした。外的要因は考えにくい状況です。病気かもしれません。
もし病気だとすれば他の働きアリへの感染が心配ですが、今のところその様子はありません。

女王アリの周りには、まだ働きアリたちが集まっています。もう少しこのまま女王アリを巣の中にいさせたいと思います。

この巣の中には、新しい命を生みだす存在が無くなりました。よって、今ある命が寿命を迎えるごとに個体の数が減っていきます。そして、いつの日かこの巣は滅びるのであります。
1匹の女王アリは1つの歴史であり、社会であり、そして時代です。女王アリの死は、単に1匹のアリの死ではなく、歴史の終焉です。
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