昨夜撮った写真ですが、亡骸がえさ場兼ゴミ捨て場に運ばれていました。乾燥赤虫が入っている容器の中に置かれています。
細いチューブを通すためだったのか噛み切れなかったのか、解体は最小限にとどまり、ほぼ原形をとどめています。
今朝の様子。容器の中に置かれてあった亡骸がスポンジの上に移されています。
えさ場兼ゴミ捨て場の中には働きアリがすでにいませんでしたので、ここを最終置き場と決めたようです。
アリの社会の影響範囲イコール巣の中なので、ここは巣の外、つまり働きアリはこれ以上関与しないことになります。
亡骸を取り出した容器の中に、触角が1本入っています。右下の丸く弧を描いているのがそれです。
アリ社会の関与が終了したので、女王アリの亡骸を取り出しました。ここから飼い主の役割が始まります。
右前脚が逆方向に曲がっており、成形中に折れてしまいました。恐らく、付け根をかなり噛まれてもろくなっていたと思われます。置き方が逆ですが、触角を置いてみました。もう一方の触角と左後ろ脚のふ節は発見できませんでした。
真上から見たところ。左後ろ脚のふ節の欠損がわかります。昆虫特有のテカテカの体、ストロボが反射します。
力尽きたムネアカオオアリの女王。昨年の6月下旬、ひょっこりと姿を現したこの女王アリは、小さな家族を形成しました。娘たちが育ち、巣の管理をまかせながら次の産卵期である季節を前に、女王アリは旅立ちました。
さようなら、女王陛下。さようなら、友だち。
今までの飼育は、対象生物と1対1のつきあいでした。しかし、今回アリという社会性の高い昆虫を初めて飼育したのですが、それは飼育の上の次元に存在する社会の間接的維持というものでした。
対象生物の威厳を尊重するのに加え、その社会にできるだけ関与しない形で維持するという初めての経験でした。
たくさんのことを教えてくれたムネアカオオアリの女王に、改めてここに感謝の意を表します。
この先、巣の繁栄は望めなくなりましたが、残された娘たちや幼虫の天寿を全うさせるまで、この飼育は続きます。