普段は石膏の上で幼虫を管理している働きアリなのですが、スポンジの上のほうまで運んできて、そこでずっと管理しています。これは初めてのことです。
幼虫の固まりを支えつつ、この場所に維持しています。
アリを置いている部屋に暖房をいれてしばらくすると、働きアリがケース内の上部まで登ってくる現象が過去に何度もありました。ふたの裏に張りつく個体も多く見られました。昆虫は日光浴をして体温を上げる性質があるので、これは暖をとりたかったためだと思います。
…ということは、幼虫を暖かい場所に移動させたかったと考えてもいいかもしれません。
ゴミムシダマシの幼虫(ミルワーム)は、冷蔵庫に入れておくとずっと幼虫のままです。生長が停止するからです。しかし、常温下で飼育すると、普通にサナギになって成虫にまで羽化します。
これを踏まえると、働きアリは幼虫の生長を促し始めたと考えてもいいかもしれません。気温が上下する飼育環境でも、最低気温などの変化で春を知っての行動だと思います。
もしかしたら、自然界のアリの巣でも春が近くなると幼虫を地上近くの部屋に移動させているかもしれません。
全ては想像の域を超えませんが、あれこれ推理するのも飼育の楽しみなのであります。