
アオモリマイマイの親カタツムリが、飼育ケースの隅っこで産卵を開始しました。砂利を数センチ掘り、すでに十数個産んでいます。
動きの遅い軟体動物であるカタツムリは、数時間あるいは十数時間かけてこのような穴を掘り、さらに数時間あるいは十数時間かけて数十個の卵を産みます。

産卵中の個体はこの個体。ここで交尾していた個体です。正確な日数カウントでは23日目に産卵したことになります。
つか、筋無し母との交尾なので、もしかしたら生まれてくる赤ちゃんの中に筋無しの個体が発生するかもしれません。遺伝が関係しているならばの話ですが。

砂利の中に頭を突っ込んで、目を引っ込めた状態で産卵します。時々少し頭を抜いて目を出し、空間を確認するような動きもします。

翌日の状態。普通は砂利で完全に埋め戻すのですが、不完全なので卵の一部が砂利の表面に出ています。

砂利を掘り進めて卵を採取中の様子。この作業は非常に慎重にやるので全部採取し終わるまでに30分以上かかります。卵の殻は薄いカルシウム。少しでも強く押しあてれば簡単に割れてしまいます。力が弱すぎると卵の表面の粘液の粘着力でスプーンに乗せることができません。この中間の力で掬うように転がすようにスプーンの上まで移動させ、これを何十回も繰り返します。

採取した卵は別のミニミニ飼育ケースに移動、今回初めての試みですが、木炭も入れてみました。キッチンペーパーの水の腐敗を抑止できればと思います。

産卵個数は59個。何個かの卵が白く見えますが、これは卵の中の気泡です。砂利の表面に出ていた卵に気泡が発生していたので、乾燥環境に置かれたせいでこのように気泡が発生したのかもしれません。
または、体内で卵をつくる工程の最後のほうの卵だったとすれば、それが何らかの原因かもしれません。このへんは謎です。
今まで飼育してきた中での判断では、気泡が発生している卵の孵化率はかなり落ちます。それが今回もそうなるのかも、これからの観察のポイントのひとつになります。
今回産卵された卵は交尾確認済みの個体からのものであり、しかも通常の産卵数であることから、孵化の可能性はかなり高い卵になります。今までの統計では、孵化するのは約4週間後。計算では7月上旬ごろに赤ちゃんの誕生予定です。