庭のカツラの木の葉っぱの裏に、何かの卵がくっついていました。大切なカツラの木でしたので、葉っぱごと採取。小さすぎて何の卵か不明なので、撮影してパソコンで拡大して見てみました。
全体の形状は、玉ねぎに似た形をしています。白い筋が縦方向に何本も見えます。大きさは1mm以下。
上部がやや尖っていますが、全体的には玉ねぎです。
カメムシの卵というよりは蛾の卵の雰囲気。何かなーと調べていて、採取した卵をもう一度見てみると…
ぉぃ、いきなり孵化ですか!見た瞬間はクモの糸の切れ端のようなものがそわそわ動いているように見えましたが、撮影してパソコンで見てみたら幼虫であることがわかり、孵化であることがわかりました。
いやはや、まさに孵化。出ようとして殻をかじっているもの、出終わって殻を食べているもの、孵化前の卵の内側に黒い頭が透けて見えているもの、抜け出た後の殻など、さまざまな状態が写っています。
孵化した幼虫の大きさは2mmぐらいですが、歩き方が完全にシャクトリムシでした。
そんなわけで、シャクガの卵であった可能性が大です。どのシャクガなのかは不明ですが、カツラの木に産卵する、あるいはカツラの木を食樹とする種類のシャクガだと思われます。
採取して数時間後の孵化でしたので、まさに間一髪でした。採取が遅れていれば木の全体に散ってしまい、駆除は不可能でした。室内でも室外でも、やはり観察は重要なわけです。