2012年11月20日
メスのエンマコオロギにみる産卵障害

1匹のエンマコオロギのメスが産卵床の上で産卵をしようとしています。この個体には左後脚がありません。さらに、産卵管の先が欠損し、尖っていません。

メスのエンマコオロギにみる産卵障害

産卵床に産卵管をうまく刺すことができず、それでも卵は産み落とされます。写真では、先が欠損した産卵管の中を卵が通り抜けようとしています。
産卵床に産卵管をうまく刺せないのは、産卵管の先がとがっていないからです。しかし、もう一つ重大な理由があり、それが前述した左後脚の欠損です。
エンマコオロギのメスは産卵管を産卵床に刺すときに、後脚をつかって腹部を大きく持ち上げます。そして産卵管に角度をつけ、ゆっくりと産卵床に刺していきます。
片脚を無くした状態でこの動作をすると、脚の無いほうへ体が転んでしまいます。結果的に産卵管の角度をとれず、さらにこの個体の場合は刺すこともままならない状態になります。

メスのエンマコオロギにみる産卵障害

白い矢印のところに卵が見えます。産卵床の中に産み落とされなかった卵です。
自然界でこのような状態になった時、ほとんどの卵は孵化まで至らないと思います。飼育下では見つけることができれば埋めることができます。

このメス個体は無念でしょう。卵が外に露出しているのはわかるはずです。それでも産卵は止みません。
飼育人である人間は、これがどういう状態でどうなってしまうかがわかる知能を持っています。その知能を行使するのは、飼育人にしかできないことなのであります。
posted by ぁぃ♂ | 岩手 ☁ | Comment(6) | エンマコオロギ〜2012年 | 更新情報をチェックする
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