いつも右室の奥に集まっていたムネアカオオアリですが、ここ数日はえさ場に続く通路の入り口付近に集まっています。
全員がここに集まり、動こうとしません。久々にみる大きな変化です。
えさ場側から見たところ。メープルシロップ細粒はしばらく交換していないので、急に香りが変わったということもありません。水はいつも通りに適量あります。
アリのような社会性の高い生き物を飼うときにはその行動を観察することが面白みのひとつになると思いますが、今回のこの行動は決して偶発的で気まぐれなものではなく、何か明白な理由があってのことだと思います。
■妄想1 春を察知したのか
居住区を土の中の巣だと仮定すれば、巣の奥の部屋から入り口付近に移ったことになります。
自然界の巣の奥と入り口では深さが違い、冬の間は奥のほうが暖かいはずですが、春が近くなるとこの関係が逆転するはずです。それを感知して奥のほうにいるアリは入り口付近に移動してここぞというときに巣から出る、あるいは入り口の通路の修復工事をして出る準備を始めるのではないでしょうか。
ただし、問題は温度変化。室内飼育なので気温には大きな変化が無いはずです。石膏も10cm離れただけで温度が変わることも無いはずです。じゃあ何なんでしょうか。
■妄想2 甘い香りに誘われたのか
少し前からカタツムリの飼育ケースにサクラの枯れ葉を入れました。サクラの枯れ葉は桜餅のような甘い香りを放ち、香りとしては強いほうです。
この香りを通気口を通してアリが気付いたかもしれません。この香りの強度ではなくて種類がメープルシロップとは違った意味を持つ香りなのかもしれません。
枯れ葉には霧吹きをしているので、枯れ葉は濡れることと乾燥することを繰り返しています。枯れ葉が乾いている状態、濡れている状態、乾く過程での状態、この3つだけとっても香りはすべて微妙に違う香りがします。自然界では「乾いている」は真冬、「濡れる」は雪解け、「乾く過程」は春の日差しだとすれば、微妙な香りの違いで季節を知ることができても不思議ではないような気がします。
ただ、地中のアリが枯れ葉ひとつで季節を判断しているというのも少々乱暴な考え方であり、説得力もいまいちです。
■妄想3 地震の前兆現象か
明白な理由が無いのに明白な行動を見せたアリ。アリは地面の中の生き物です。地中で何かを感じ取る能力は、物理的なものだけではなく、化学的なものも含むと思います。
大地震の前に生き物がいつもと違う行動を見せるというのはよく聞く話ですが、今回の現象も可能性はゼロではないということで妄想のひとつとして書いてみました。
ただ、大地震の際に奥にいたほうがいいのか入り口付近にいたほうがいいのか、それはわかりません。今回は入り口付近にいたほうがいいと仮定した場合の妄想です。
■妄想4 じゃあなんなんだ
石膏の含水量にも大きな変化が無く、中の湿度も限りなく一定です。石膏も乾いていませんし、結露もしていません。
んー、これはいったいなんなんなんだ!?
この深い疑問が観察のエネルギーとなり、いつもよりアリを観察する時間が増えそうです。
今回の行動がどのように進んでいくか、定期的に書いていきたいと思います。