2011年02月12日
アマガエルはオタマジャクシの時代を田んぼで育ち、手や足が出ると田んぼから四方八方に冒険に出て住む環境を変えます。
毎年撮っているアマガエルは、数百m先の田んぼから会社に移住してくれた個体です。
途中で人間が住む家の土地や車が往来する道路などを渡りますが、その途中で数多くのカエルが命を落とします。
人や鳥やヘビの難を逃れ、車のタイヤとタイヤの間をすり抜け、コンクリートの輻射熱に耐え、ようやくたどり着く定住先なわけです。
それらのカエルたちは、まさに勇者。定住先にたどり着いたばかりの子カエルたちはまだ1.5cmほどしかありませんが、それらすべてはたたえるべき命なわけです。

今会社の近くでは道路工事をしています。田んぼから会社までの道のりの通過点でもあった雑草の生える斜面は、コンクリートの垂直面になろうとしています。
道路工事なので、1区画だけそうなるのではなく、田んぼから会社までの緑の部分のほとんどがコンクリートになろうとしています。コンクリートでない部分は、住宅地のコンクリートか道路のアスファルトです。

毎年田んぼを巣立つカエルたちのことが心配でなりません。土の温度や水蒸気で体調を保ったり、草むらに隠れて天敵から身を隠していたのに、コンクリートの輻射熱と隠れる場所どころか目立つだけのコンクリートの壁が続く面を渡らなければならなくなるのであります。
この試練を乗り越えられる個体の数は、はたしてどれぐらいなんだろうと不安です。

無数に存在する生物の中の1種類のために1人の人間が叫んでみたところで、公共の前では無力です。川を上る魚のために専用の水路を設けたりすることは知っています。カルガモの親子が道路を横切るときに車が一時停止してくれることも知っています。
人間はできる範囲でできることはやっていますが、相手がアマガエルとなると社会のルールは曲がりません。

自分自身ができること。定住先までたどりついたカエルたちを見守ることです。
同時に、定住先が住みやすいように整備することです。
しかし、その定住先である会社の周りも、駐車場が拡張されて緑がかなり減りました。今までプランターや鉢を置いていた場所も、全部ではないですが撤去しなくてはならない場所もあります。これも自分だけではどうにもできず、目の前でどんどんカエルが住みにくくなる現状を見つめるしかありません。

しかし、絶望しているだけではありません。今年はもしかしたらカメラの前のカエルの数が激減するかもしれません。でも、カエルも生き物。耐えて学んで順応しようとするはずです。その知恵の遺伝に何世代かかるかわかりませんが、数を減らしながらも今の今まで命を繋いできた生き物です。彼らを信じることも忘れてはならないことです。
稲作のための田んぼをうまく利用して生育場や交尾場にし、住居の灯りに集まる虫を食べて生きてきたカエル。カエルの中でも特にアマガエルは、人間の作りだしたものを利用しながら生きている生き物です。
その賢い知恵に、今後の希望を賭けたいと思うのであります。


posted by ぁぃ♂ | 岩手 ☁ | Comment(7) | TrackBack(0) | カエル | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
全文読ませていただきました。同感です。

私、このブログを見つけてよかったなと
心から思いました。(^-^)
Posted by Rosy at 2011年02月13日 17:37
イキモノを絶滅させるには環境を変えればいい、らすぃ
そうやって絶滅していったイキモノはあまたいるけど
少なくともアマガエルたちはそういうピンチを生き延びてきたんだから
きっと一時的には数を減らしても
何とか生き延びる術を学んで、次代につなげていく・・と信じたい(´Д⊂
Posted by ぐわ氏 at 2011年02月13日 20:10
>Rosyさん
ありがとーございます。
意見だけの記事はなかなか書けませんが、こうして時々書いてみようと思います。
この季節は被写体も少ないのでチャンスですw

>ぐわ氏さん
この星の中ではヒトがいばりすぎですね。
たぐいまれなるわがままさを持った生き物なので、他の生き物には嫌われていると思います。
生類憐みの令を発布したい次第w
Posted by ぁぃ♂ at 2011年02月14日 00:01
読ませていただきました。
確かにそうですね。
アマガエルさんたちのその逞しさや柔軟に適応しようとする力を信じたいですね。

私の家の周りはまだ比較的自然が残っている方だとは思いますが、それでも以前に比べたらどんどん開発が進み、それまで存在していた小さな自然が奪われていってしまっているんですよね。
お陰で、子ども時代にはいくらでも見られた生き物たちが全く見られなくなっていたりもします。
アマガエルさんもこちらへ戻ってきてから約4年の間に実はまだ2匹しか見ていません。
寂しくなったものです。
Posted by usashi at 2011年02月15日 00:34
>usashiさん
怖いなと思うのは、自分やusashiさんのように一世代の範囲の子供時代と大人時代とで、すでにとんでもない差が生じているということです。
10年でこれだけ浸透したインターネットもすごいですが、数十年でこれだけ衰退した自然界の生き物もそれ以上にすごいです。
長い長い地球の年月の中で、こんな短い間にこんなにも変わってしまう生物環境は、異常としか言えません。
地球上の人間以外の生き物から見れば、人間は極悪そのものですな((+_+))
Posted by ぁぃ♂ at 2011年02月15日 23:32
私の住んでいる場所は、ちょっと前に話題になった
八ツ場ダムのある町です。

ダム建設はまさに自然破壊です。

ダムだけではなく、その周りの山々を切り崩し
道路を造り、代替地を造成し・・・

でも、生き物はたくましく生きています。

コンクリートで固められた壁面を、2匹のカモシカが
歩いていました。

散歩をすれば、毎回決まった場所でキジに会います。

世界規模でみる自然破壊を考えれば、本当に恐ろしく
悲しく思いますが、その恩恵?に与っているのも
また事実でもあります。

何が言いたいのか分からなくなっちゃった><

たまに真面目なことを書くと、すぐフリーズしちゃう><
Posted by さわ at 2011年02月16日 23:52
>さわさん
おお、あの「やんば」ダムですな。
人間が本当に必要なものは作らなくてはなりません。ただし、作る方法はいろいろあると思います。配慮するものが増えるほどお金もかかると思いますが、住処を失った野生動物が人の目の前に現れるほど人家に近寄るのも問題です。
毎年ニュースで見ますね。やれシカが出た、やれサルが出た。人に追い出された野生動物が人の前に出てきたのをきっかけに、出てこないようにする方法を考えてほしいものですな(^O^)
Posted by ぁぃ♂ at 2011年02月17日 18:52
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