アリの幼虫が大きく育つ季節になると、同じ働きアリでも腹部の大きな個体と小さな個体がいることに気づきます。腹部の大きな個体は常に幼虫のそばに居座り、腹部の小さな個体はその外周にいることが多いのであります。
植えの写真では、中央下の働きアリの他は腹部は大きくなっています。
腹部の大きな働きアリ。要するに育児担当です。幼虫に口移しで与える食べ物を、おなかの中にいっぱい蓄えているわけです。
腹部の小さな働きアリ。こっちは巣全体の管理運営の担当です。引越し先の調査から意思決定まで行い、巣の引っ越し時には育児担当の働きアリを咥えて運びます。
また、えさ場で食べたえさを育児担当の働きアリに口移しで与えたりします。興味深いのは、幼虫に直接与えるのではなく、あくまでも育児担当の働きアリに与えます。かなり役割分担には厳格のようです。
この役割分担は、比較的若い個体が育児担当となり、ベテラン組が管理運営担当になるらしいです。自然界で土の上を歩いているのはみんなベテラン組ということになります。