これは目の集合体で、1万とも2万とも言われる目が集まったものです。
トンボの場合は、半球面体の外面に1個1個の目が集まっており、それが左右ペアで頭部にセットされています。
この1個1個でとらえた像を脳の中で結び、風景を組み立てています。
このしくみはデジカメに言い換えればわかりやすくなります。
ひとつの画素が明るさや色を読み取り、それをジグソーパズルのように組み合わせて1枚の写真にするのと似ています。300万画素のデジカメは、300万の像を組み合わせて1枚の写真にしています。
よく間違いやすいのは、1個1個の目が像を結んでいるのではないということです。
トンボの前に人が現れた場合、1個1個のトンボの目に1人の人の像が映るのではなく、分割された一部分が映るということです。
例えば、1個の目には人の頭、1個の目には人の胸あたりというかんじです。
これらのひとつひとつの情報を組み合わせて、人の全体の形をとらえます。
しくみの話は以上ですが、それでは実際にどのように見えているのでしょう。ここが気になるところです。
ひとことで言えば、下の写真のような360度パノラマ写真になります。

ただ、360度パノラマ写真というのは横方向の連続であり、トンボの複眼は半球面体ですから、上下方向にも360度パノラマになるわけです。
上下左右360度パノラマということは、文字通りまわりが全部一度に見えているわけで、下の写真のような見え方をしているのかもしれません。

トンボも引力を感じてきちんと体を水平に保つわけですから、真ん中の空の面積が大きくなれば高いところを飛んでいると理解するでしょうし、小さくなればその逆と理解するでしょう。
以上、複眼の見え方について書いてみましたが、あくまでもこれは理論です。
実際には、後ろ方向を向いている目の数はかなり少なく、前左右方向に重点を置いた目の配置になっています。
背後から虫とり網でねらったときなどにトンボが首をかしげるのは、よく見えない後ろ方向を確認しようとしているところです。
このしくみと似ているのが、イージス艦のレーダーです。
イージス艦には6角形の板を4面にくっつけたフェーズドアレイレーダーというものがあり、これで360度監視しています。
厳密に言えば、さらに電波の位相を変えてくまなく見るしくみになっています。
だから、6角形の平面の板で90度の範囲のものを、さも真正面からとらえたように処理できるわけです。
トンボはこれができないために、首をかしげるのですw
いずれにしても、複眼のしくみというのはものすごい高度なシステムであり、人間さえも持っていない高等器官です。
進化の違いと言えば違いでもあり、広く浅く見えて繁栄につながったのがトンボ、その逆が人間ということになります。
なお、複眼を構成している1個1個の目は6角形をしています。
ハチの巣で有名なように、一定の面積に最大個数を隙間なく頑強に配置するのが6角形です。
かなり抜粋して書きましたが、詳細に書くと一冊の本ができあがって印税で幸せな生活をすることになりますので、このへんでやめておきますw
続きは週末に読むわ〜。
ハイ、そんな思い違いをしておりましたw
…だけどやっぱり人間は歩けなさそうな気がします。
魚眼レンズを覗いた時のような目眩が…吐き気が…お母さーん、洗面器ー。
人間って、新しいものを作っているつもりで、実は自然の仕組みを
借りたり、解き明かしたりしているんですね。
しかし、複眼からイージス艦に行き着こうとは…。
ぁぃさん、ご苦労様でした!w
ちょっとケロには難しすぎたかな?
↑イケテル言い回しになってますか?
人間の脳は上にあるものは上と感じますが、トンボは真ん中にあるものが上ということになります。端っこが下です。
人間があるものを開発するとき、気がつくと「なんだ、これはアリじゃないか」というケースもよくあります。
それだけ生き物の体というのは、完成度が高いんだと思います。
複眼つけた船で防衛するぐらいですからw
>ケロさん
ミツバチが蜜から蜜ろうをつくる話をすれば、もっと哲学的になります。
食糧にしている蜜を100集めて加工して、1の蜜ろうを作ります。
この蜜ろうで巣を作ります。
食パンを消しゴムにするようなもんでしょうかw