
累代飼育のエンマコオロギの孵化は毎年6月下旬ごろになっていますが、秋に野原から聞こえてくるエンマコオロギの鳴き声と飼育中のエンマコオロギの鳴き声とでは1か月ほどの差がありました。
これは孵化する時期のずれであると思い、今年は暖房で加温することにしました。
飼育ケースの下に敷いているのが暖房で、昆虫や爬虫類飼育用のパネルヒーターです。40℃ぐらいでサーモがはたらくタイプです。

産卵床の真上に置いている温度計は、24℃。この地面から1〜1.5cmぐらいの深さに卵があり、その場所の地温はおそらく26〜28℃ぐらいだと思われます。
1枚目の写真でわかるとおり、パネルヒーターから距離がある端の産卵床はもう少し地温が低くなるはずです。

ケース内の気温は23℃。これは空気のよどみをみるために置いています。
自然界では太陽光が燦々と降り注ぎ、地面の温度はかなり熱くなるときがあります。その温度もあって孵化の時期が決まっているはずですが、少量の土で構成された産卵床を似た環境にもっていくのは、なかなか容易ではありません。少量であるということは、気温も地温も含水量も急激に変動するからです。
なので、下からじんわり弱めに温める方法をとりました。それでも水分の蒸発は多くなり、2日に1回は霧吹きで土を湿らせないといけません。
今回の暖房策がどのような効果があったかは、孵化の時期でわかると思います。中央付近と端との間で差が生じるかもみてみたい部分です。