地味な色合いの毛虫がブロックの上を歩いていました。背中の黄色い筋が特徴。アカハラゴマダラヒトリの幼虫です。成虫の写真はこちら。
真横から見ると、黄色い点々が見えます。体長は2cmぐらい。
真上から見るとはっきり筋が目立ちます。ただ、体の色自体が地味なので、どんな風景にも溶け込みそうです。
この時期に幼虫ということは、このまま幼虫の状態で越冬すると思われます。
数日後のこと…
全く同じ場所で、モフモフの毛虫を発見。初めは前に見た幼虫とは別モノと思ったのですが…
この背中の筋、ここで思い出しました。それにしても毛がモフモフです。
もはや華麗な雰囲気。この毛虫にてこの長さの毛。これにはわけがありそうです。
ここからは想像なのですが、この個体は前に見たあの個体だと思うわけです。
それではなぜ数日の間にこんなに毛が長くなってしまったかですが、前に見た個体は脱皮直前だったと仮定すれば、皮を脱いで長い毛の体が出てきたと考えれば不自然ではありません。さらに、前に撮った写真をあらためて見てみると、皮膚の色がうすい灰色ですが、これは本来の色ではなくて半透明の白い皮膚の内側に黒い毛が透けて見えていると考えれば不思議とそのように見えてきます。
じゃあなぜ急に長い毛の体になっちゃったのかですが、ヒトリガの幼虫は冬の間は冬眠します。その冬眠の際に吐いた糸と自分の体毛を絡ませるようにして簡単なマユ状のものを作るのですが、その材料の体毛がマユを作るべき季節に合わせて生えてきたというか、そのような生態が正常に行われたということなのかもしれません。ちなみに、近似種のクワゴマダラヒトリのときの観察記録を見れば百聞は一見にしかずです。
まあ、アカハラゴマダラヒトリなのかキハラゴマダラヒトリなのかも定かではありませんが、ヒトリガはこのような生態のようです。