家庭菜園ではおなじみのお客さんですが、いわゆるエカキムシです。正式にはナモグリバエの幼虫です。
葉肉を食べながら葉の中を移動しますが、葉の裏皮の内側を食べ進むため、表側からはあまり目立ちません。
写真では裏皮の中にいる状態ですが、呼吸のために気門を出しています。幼虫右側の茶色い小さな突起が気門です。
取り出してみました。先ほどの気門が見えています。
大きさの割には硬い体をしており、体表も乾燥した状態です。
アブラムシも子を産んで繁殖していました。大きめのアブラムシです。
農薬を使わないエカキムシ対処法としてはテデプッチンなわけですが、小松菜の場合は葉そのものを食べる野菜なので、テデプッチンしても亡骸が葉の中に残ってしまいます。こうなると1匹1匹爪楊枝などで除去するか、葉ごと処分するしかありません。気持ちの問題もあるので、葉ごと処分することになりますが。
数あるアブラナ科の中でも、虫たちにとって絶品激ウマであるはずの小松菜。それを無農薬で育てるわけで、虫が来ないわけがありませんw
かといって、カタツムリたちにあげることも想定した小松菜なので、農薬だけは使いたくありませんでした。
被害にあった3分の1の葉はカタツムリにあげることになり、残りの3分の2を人間が食べたことを思えば、その割合もまた結果的には想定通りになっていたのかもしれません。
農薬にも弱いものから強いものまで様々ありますが、弱いものだと収穫前日まで使用可能なものもあります。つまり、使用翌日には薬害は無いよということです。ただしこれは人間に対しての話であって、使用翌日現在の残留農薬は他の小さな生き物に対してはまだまだ害があるかもしれないことを肝に銘じる必要があります。つか、間違いなく害があるでしょうな。
こういうことを考えるとスーパーで買った野菜の安全基準も人間での基準であり、他の生き物に対してはグレーなわけです。しかし、そのすべてを他の生き物用の食べ物の対象から排除することもまた不可能であり、洗浄レベルを上げたり産地を調べたりして逃れた気になっているのが現実だと思います。
最後の究極の選択は、自分で野菜を栽培すること。これなら農薬を使わなければ無農薬であることを自ら保証できるので、100%安全になります。ただ、四季を通してその野菜を栽培できるかと言えば絶対に無理であり、今回のような無農薬小松菜を作れるのも年に1回か2回程度でしかありません。
総論ですが、人に対する農薬と人以外の物に対する農薬というものを日ごろから考えていかなければならないなと思う次第。人よりも弱い生き物を生き延びさせることを考えた場合、本来は人基準で考えてはいけないわけです。これは飼育全般のあらゆる場面に言えることでもあると思います。
二者間の基準の境目がわからない場合、ゼロという基準を設けて文字通り白黒はっきりさせるしかないので、無農薬という選択になるわけです。