今日はカボチャを食べている純筋無し4兄弟ですが、今回は飼育ケース内の乾燥対策について少し書きたいと思う次第。
この時季、特に室内飼育の場合は部屋の中の空気がかなり乾燥します。加湿器を使わないと30%以下まで下がることもあるので、加湿器でなんとか50%台を保っている状態。
それでも加湿器が切れるとすぐに40%を下回るわけで、この時季のカタツムリたちは膜を張って殻に閉じこもることが多くなります。
飼育ケースのふたはこのように網目状になっており、霧吹きをしてもあっという間に乾燥してしまいます。
そこで、ふたの大部分の隙間をラップで覆います。
正面の側面部以外はすべてラップで覆っています。
どの程度覆うかについてですが、基本的に適度な湿度をできるだけ長く維持できる程度ということになりますが、最小限の換気を可能とした上で蒸れないようにするようにしています。
ただ、ここで言う蒸れというのは夏季の蒸し暑い蒸れのことを主に言っていて、今の季節の蒸れはよっぽどでない限りかなり許容されると思います。
極端な例では、全面をラップで覆ったまま1週間以上もそのままにすることは換気上良くないはずです。飼育ケースの中は食べ物の熟成やフンによって、常にガスが放出されているからです。
ラップで密封状態にしても、1日おきぐらいに半日間隙間を開けておくくらいなら、換気はできそうです。
また、ケース内が24時間濡れっぱなしの状態も衛生上良くない気がするので、自然界と同じように乾燥したところを這わせることも実現したいところ。
めんどうなときは、常時少しだけ隙間を開けておくようにすれば放置できます。ただし、それでも1日でカラッカラに乾燥するので、毎日の霧吹きはやっておきたいわけです。
記事内やコメント欄で何度か書いていますが、カタツムリは他の生き物に比べて自己管理能力が非常に高い生き物です。暑ければ膜を張って殻の中に退避し、乾燥しても同じようにします。寒ければ土の中に潜って分厚い膜を多重に張ってしのぎます。
なので、仮に乾燥状態が長く続いても普通は死ぬことは無いです。暑さと寒さは長期の場合は少し弱ります。
ちなみに他の生き物はどうかというと、例えばカブトムシは暑すぎると1日で死んでしまいますし、ミミズも乾いたコンクリートの上では1日もちません。
カタツムリは殻の中に水を蓄えることができる生き物で、殻が薄いころに殻を持って角度を変えながら見てみると、殻の中の水の水位が見えることがあります。殻の中に水を蓄えた状態で膜を張ってしまえば、膜の空気口から蒸発する水分を考えてもかなり持ちこたえることができそうです。
こうした機能は老化とともに低下するはずなので、そのせいで環境の変化にうまく対応できなくなって死んでしまうこともあるでしょう。また、赤ちゃん個体や幼体は乾燥には弱いです。特に赤ちゃん個体は膜を張って耐えたとしても、耐久期間は数日程度だと思います。
ウチのアオモリマイマイを例としてずらずらと書いていますが、赤ちゃん個体や幼体を寒い場所に置いていた時でも冬眠することは無く、数℃の気温のケース内を普通に這っていました。これは、いわゆる「寝たら死ぬ」の状況に置かれているのかもしれません。気温の低さというよりは、長い冬眠の間に体内の水分の蒸発を阻止できないためだと思います。恐らく、作れる膜が薄すぎて乾燥防止に対して効果が薄いか、殻の中に蓄えられる水量が少なすぎるかのどちらかかもしれません。物理的に肉の容積が少ないことも不利と言えば不利かも。
前述のとおり、カタツムリは自分である程度の危機管理をしてくれる生き物なのですが、危機管理のしやすさ、またはその道具の提供は飼い主が少しだけ手間をかけたいところです。とは言っても簡単なことなのですが、例えば冷却&飲み水&水浴び用に水たまりを作る、常時蒸気発生のために水を吸った木炭や砂利を入れる、ケース内に異なった環境を導入するなどです。
最もよくない例は、食べ物だけを入れた飼育ケース。暑さも寒さも乾燥も直に影響し、温度も湿度も急激に上昇と下降を繰り返します。そんな環境をカタツムリが退避しようとしても、どこを這っても乾いたプラスチックでは、膜を張るという最後の手段を早々に使わなくてはなりません。最後の手段を使う前に、いくつかの選択肢があればカタツムリ自身のストレスも穏やかになると思いたいわけです。
例のごとく、これらはウチのアオモリマイマイの飼育観察から生まれたローカルな観察結果なので、全国全種のカタツムリに通用するかどうかはまた別の話になりますので、飼い主が適切な観察と判断をする必要があるでしょう。まあ、99.9%は共通事項だとは思いますがw