このFの飼育ビンから、断続的にガリガリ音が聞こえてきます。幼虫が容器をかじっているようです。
ふたを開けたら、マットの中から出てきていました。この体勢で容器のふたをかじっていたわけです。
このような行動は一言でいうと「容器の外の世界を求めている」わけですが、もう少し言うと「温度や湿度などの環境が原因でマットが住むに堪えない」「マットがフンだらけで食べるマットが無い」「蛹室を作る場所を探している」あたりになると思います。
マットを見ましたが、極めて正常。ということは、3つ目の蛹室探しの可能性が大きい状況です。
まあ、マット中の領域に蛹室を作るのに適した場所が無かったので探しているのだと思いますが、本当はビンの底のほうをわざと固くしてやると、そこを好んで蛹室を作るのはわかっていますが、フンや細かいマットも普通に含まれており、作ろうと思えば作れるのではないかとも思ったり。
実際カブ幼虫にも個性があり、この状況でもだまって蛹室を作る個体もいると思います。なので、全個体のマットを固く改良する作業をするのも気が進まない次第。もしかしたら、すでに蛹室を作る気になっている個体がいたり、作り始めている個体がいたりするかもしれません。その場合、マットをいじくりまわすのはかえってストレスがかかるような気もします。
はてさてどうしましょうか。このFの個体だけでも固くしましょうか。明日また考えます。
カブ幼虫のオスメス判別は、これくらいの大きさになるとわかりやすいです。上下逆さまにしてアップにすると・・・
こうです。V字マークが見えるので、この個体はオスの可能性が大です。
他の幼虫のオスメスも気になりますが、マットの中からほじくり出して丸まった体を無理やり伸ばしてまで確認することはやめときます。今回は偶然マットから出ていた場面に遭遇し、運よく角度的に見えたので撮ってみました。
エンマコオロギの時もそうでしたが、最終的なオスとメスの割合はその後の家族計画上重要な要素になります。6匹のカブ幼虫のオスメス比率はどうなっているのか、それは羽化してからの結果待ち。運よく飼育ビンの側面から見える場所に蛹室を作ってくれれば、蛹の時点でオスメスがわかるかもしれません。
何はともあれ、幼虫が蛹になろうとしている時点から羽化するまでがカブトムシ飼育で最も神経を使うところ。それは幼虫本人たちも同様です。
突発的な事故も発生し、その対策には人の手が必要なものもあります。異常は無いかと日々チェックし続けなければなりません。できるだけ振動を加えないようにしつつです。大変ですw
カブトムシの飼育は非常に簡単なイメージがありますが、上記の時期では難易度は高いです。この時期を「放置」という形で乗り切るのも一つの選択肢であり、これは事故をゼロにするのではなくて最小限にするという個体の生命力にまかせた自然志向の策です。実際、この策が一番良いのかもしれません。
ただ、事故をゼロにしたいと考えた場合、「放置」策は消えます。この記事内でマットを固める作業をするかしないか迷っているのは、久々の飼育となるカブ幼虫なので、自分は半分初心者のようなものだからです。
無難な放置をとるか、対策強行をとるか。いやはや、非常に悩ましいのであります。