
ユスラウメの木の下に巨大なフンを発見。長さは5mmもあります。この大きさのフンをする幼虫は決まっています。

いた!フンの上のほうを探したら、ユスラウメの枝の深部に隠れていました。マイマイガの幼虫です。

体長が6cmを超える大型の終齢幼虫で、今まで見てきたマイマイガの終齢幼虫の中ではいちばんのサイズです。
まさに今にもサナギになりそうな巨大さ。丸々と太っています。

フンは樽状の形をしていますが、断面方向から見るとこんな形です。そのまま腸の断面形状と同一と考えていいと思います。

側面の形。今回のフンは通常のフンと少し違います。マイマイガの幼虫は葉を食べるので、フンの色は通常深緑色をしています。今回のフンは赤みがかった茶色がメインであり、それよりも何よりも異常に繊維質の量が多いです。
何を食べていたのかを考えてみましたが、この色や繊維質の量だともしかしたらユスラウメの実を食べていたかもしれません。
ただ、実の食痕は見つけられず、証拠はありません。しかし、葉の食痕もなぜか見つかりませんでした。見落としそうなのは実の食痕のほうです。

これがユスラウメの実。サクランボもそうですが、実の果肉はけっこう繊維質です。

とりあえず、逃がす場所も思いつかないので確保。発見場所のユスラウメの葉を入れておきました。

念のため、ユスラウメの実も2個ほど投入。何を食べていたかがこれでわかります。
ただ、チョウや蛾の幼虫は確保されると食べなくなることがあり、そこで成長をやめてさっさとサナギになろうとする様子を今まで観察したことが複数回あります。何と言いますか、サナギになる時期をある程度決めることができるような事象です。昆虫の変態を考えた場合、決められた一定量を食べて決められた大きさにならないとサナギになれないとすれば、種の保存的にそれは少し酷というか不利です。幼虫時代に食べるものが無くなってそれまでの人生を無駄にして死ぬよりは、ここで体の成長をあきらめて小さくてもいいから成虫になって子孫を残す方向で考えるのが自然なような気がします。あくまでも推測ですが。

変な考え方かもしれませんが、今まで人にも見つからず鳥にも食べられず、よくぞここまで生き抜いてきたと思います。その点については素直に賞賛したい次第。

なんとなく撮った腹足。

模様のセンスは無いですが、色のセンスはあるほうだと思います。

口はモスラの幼虫とそっくり。モスラは成虫も同じ口をしてますが。つか、口元が赤いので本当に実を食べていたかもしれません。
この幼虫は、食べ物調査のためにこのまま確保を続けます。糸を吐いて不意にサナギになったら幼虫の勝ち逃げ。その場合は羽化まで見てみたいと思います。寄生されていなければの話ですが。