
5匹の幼虫のうち、4匹がここに集まって動きを止めました。
いちばん上に逆さまにくっついている幼虫の体型を見ると、なんだか短くなっている雰囲気。
これはもしかしたら、サナギになる準備かもしれません。いわゆる前蛹です。
あと1匹も、ヨモギの葉の上で同じようになっています。
下の幼虫もサナギの準備でもしているのかなと思ってよく見ると…
アブラムシがうようよいます。写真で見るよりもその3〜4倍はいます。
ケースの隅なので、偶然ここに集まったのかと思いましたが、なんとなく集まり方が異常というか、アブラムシが殺気立っているのを感じたわけです。
前蛹になって動きを止めたことをいいことに、アブラムシが大軍団で攻撃を始めたように見えました。
やばいと思って、筆で大軍団を駆除した次第。

上の2匹に比べると、下の2匹はなんとなく弱っているように感じます。
さらに、下の左側の個体からは黄色い体液が漏れています。
まさかとは思いますが、アブラムシの植物の葉や茎をかじる力がテントウムシの幼虫の外殻を破ったのでしょうか。
この黄色い体液が傷口から漏れたのではなく、テントウムシの幼虫が防御のために自分で出した毒であればいいのですが。
アブラムシは集団生活をするので、アリほどではないにしろ、多少の社会性は持っていると思われます。
兵隊役のアブラムシがフェロモンのようなものを出し、普段は防御一辺倒のアブラムシが攻撃に転じたというのは考えすぎでしょうか。
いずれにしろ、飼育ケース内の一か所にあれだけ集中して集まったのは初めてのことでした。
もし自分がアブラムシなら、テントウムシの幼虫が成虫になっても自分たちの敵であることは、遺伝子で知っているはずです。
普段は敵わない敵をやっつけるとしたら、鋭い牙や大きな体の動きが止まるこの時しかありません。
横で仲間が食べられているのに、逃げずに植物の汁を吸い続けるアブラムシ。
そんな姿を見て、ずいぶん無抵抗なんだなとずっと思っていました。
殺気立ったアブラムシを見たとき、はじめてアブラムシが気持ち悪く見えました。
あれは何だったのでしょう。偶然の出来事だったのでしょうか。